【カナダワーホリ】5つの仕事を同時にこなす日本人インタビュー
新井リオ(@_arairio)です。
トロントで、はちゃめちゃに面白い人を見つけました。今日はそのインタビュー記事。
今後の留学の可能性が広がるのではないか、と思います。
彼の名前は池田尭(いけだたかし)さん、23歳。
トロントに住んで2年目。(ビジターとワーホリビザ)
彼が現在トロントでやっていることは、
- ストリートスナップ
- 空手(黒帯)
- 野球(チームキャプテン)
- 古着の卸し
- ラーメン屋
という、渋谷で5人集めて1人にくっつけたような多ジャンル具合。
カナダでやっていること
新井
「池田さんはなぜ、同時にこれだけの仕事・趣味をやろうと思ったのですか?
日本にいる時からこいう言った仕事や活動をすることを考えていましたか?」
池田
「もともと、同時にこんなにやろうと思ってカナダに来たわけではないんです。
古着の卸しは服が好きだから。ラーメン屋は、英語環境での仕事を探していた際、たまたま外国人経営のラーメン屋を見つけて。でもこの2つはあくまで生活のため。
で、トロントに誰も知り合いがいない状態で来たので、自分の生活する世界を広げるにはどうすればいいかを考えた時、日本でやっていた空手と野球は自分の強みになると思い、カナダでもやってみようと思いました。
ストリートスナップは、もともとファッションに興味があり、自分にできそうで、新しいことを始めたかったというのがきっかけです。
リオくんは?」
新井
「なるほど。全て、カナダに着いてからやることを決めたのですね。
僕もかなり似ています。もともと日本で1年間オンライン英会話をやっていたし、カナダに来て「英語を伸ばす」のは大前提でわざわざ掲げる目標ではありませんでした。
それよりも、いきなり「オンライン英会話で培った英語を自分の得意分野に生かす」という実践的なチャレンジがしたかった。
具体的にいうと、自分の強みである「音楽」と「デザイン」に、今自分にできる、(自己評価)65点/100点くらいの英語レベルを掛け合わせたとき、世界でどこまで通用するか、挑戦してみたかったというのがあります。」
カナダワーホリ留学のきっかけ
新井
「ちなみに池田さんは、カナダに来る前、日本では何をしていたのですか?」
池田
「普通に大学生をしていて、卒業後の4月にカナダに来ました。学生という身分がなくなって、何者でもない姿で行きたくて。なにか考えるものを日本に残しておきたくなかった。
学生の一貫としてではなく、日本に帰ったときに新たなスタートから人生を始めたくて。」
新井
「そうなんですね。ちなみに僕は休学してカナダに来ましたが、たしかに、もう何も自分を守る身分がないという状況で生まれる行動には、一層強いパワーがあるように感じます。
では、ワーホリ留学をしたきっかけ、またトロントに選んだ理由は?」
池田
「留学自体のきっかけは、おじいちゃんのことば。
「たかしくん、留学はしないのかい。おじいちゃんは留学をしない人生を送ってきて、後悔がないと言ったら嘘になるんだ。」
と言われ、「80歳越えたじいちゃんが後悔している “留学” ってなんなんだ」と思い、決断しました。
カナダに決めたのは、単純にワーホリビザがあるから。バンクーバーは雨が多いと聞いてトロントに。だから特にこだわりはありませんでした(笑)
リオくんは、トロントにこだわりはある?」
新井
「おじいちゃん!面白いきっかけですね。
僕は、2015年にPENs+でカナダライブツアーをして特にトロントに繋がりがたくさんできたので。
着いてすぐにデザインと音楽で実践的な仕事や活動ができるかもしれないと思い、決めました。
そうでなければ、街としてのこだわりは特にありません。笑 すごく住みやすいですけどね。」
自身の英語力について
新井
「そういえば、池田さんは、カナダで語学学校は通わなかったんですよね?」
池田
「うん。カナダに行く半年前にフィリピン短期留学行ったんだけど、そこで英語力の足りなさを痛感しました。
でも、これは語学学校うんぬんの問題ではなく、自分自身の問題だと思った。
自分でできる勉強がまだまだあると。そして帰国後、カナダに行くまでの半年、日本で猛勉強しました。」
新井
「僕も全く一緒です。
大学1年生の時にフィリピン留学に行き、英語力のなさを痛感と同時に、日本でできることがまだまだこんなにあるじゃん!と自覚しました。
日本ではどんな勉強をしていましたか?」
池田
「Forest文法書をやったり、見たことあるアニメ映画を英語音声で何回も繰り返して見たりして勉強しました。
特に『時をかける少女』はよく見ました。もうストーリーがわかっているので、英語も入ってきやすいんですよね。
違う映画をたくさん見るよりも、同じのを何回も見たのが良かったと思う。
そしてトロントに来て英語を実際に使った時、「通じた!完璧ではない俺の英語だけど、意外といけるじゃん!」と実感しました。」
新井
「違うものをたくさんよりも同じものを何回も、は非常に共感します。
実際に日常で使う英単語数は限られているから、本当に英語が話したいなら「単語をたくさん知っているか」より「今知っている単語をどう使いこなすか」が大事だと思います。
カナダで生活を楽しむには、どのくらいの英語力が必要だと思いますか?」
池田
「10段階でいったら、日本の大学生は2とか3。これが5~6になったら、充分楽しめる。
ただこの隙間を埋めるのは、意外と「自分でやる基礎の勉強」だったりする。あとは実践を同時に行うこと。
リアルな話、自分はレベル4.5でカナダに来て今6.5くらい。今は特別不自由なくコミュニケーションは取れる。
リオくんは?」
新井
「僕も、リアルに自己評価10点中6.5点くらいですね。まだまだ知らない単語に毎日出会い、終わりが見えなすぎて途方に暮れることもしょっちゅう。
でも現にデザイナーとして仕事ができているし、とりあえず生活するのに困らないくらいの英語力はついたと思っています。
僕は今、単純に英語が言語として好きになって勉強にハマってる感じです。毎日4時間くらい。笑
でも英語マニアでもなければ、ただ勉強するよりもどんどん実践で生かしちゃった方がいいと思います。
だから池田さんの実践力は本当に尊敬します。」
現在の生活
新井
「池田さんは今、トロントでどんな生活を送っていますか?」
池田
「日中は週4でラーメン屋、週2で古着卸し。
夜は週2で空手の練習。大会も控えてます。黒帯を持っているんだけど、日本での大会出場経験が多くて実践の数も豊富というのがこっちではレアで、人に教えたりもしてる。
そして休みの日に野球。チームキャプテンです。笑
ストリートスナップは、常にカメラを持ち歩き、道を歩いている時におしゃれな人がいたら話しかけます。で、その都度instagramにアップ。
もう120人くらいは撮ったと思う!」

スナップを撮る池田さん
新井
「すごい!とても充実していますね。単なる英語の向上だけではない、人生を通しても本当に貴重な経験ですね。
僕は週7デザインの仕事と英語の勉強。もう狂ったようにそれしかしてないですね。笑
あとはまあ朝走ったり、最近はブログ書くのが超楽しいですね。あと音楽活動も、再開に向けて動いています。
池田さんが去年からのトロント生活で学んだことを1つ挙げるとしたらなんですか?」
池田
「続けることの大切さかな。
こっちにきて、日本人の美容師とか鍼治療の先生とか、「手に職を持った人」と仲良くなる機会があって。
そういった方々が日本から続けてきたスキルは、カナダに来ても仕事になったり、価値あるものとして評価されているのを目の当たりにして、続けることの大切さを学んだ。
僕自身も空手と野球を日本にいる時からずっと続けてきたけど、
まさかカナダでこんなに使えると思わなかった!
学校も通ってないけど、こういったコミュニティのおかげで友達が沢山できたし。
あと、去年の後半からは所属している野球チームのキャプテンを任されて、自分にはこういうことができるのか、求められているのか、と自覚した。
国を超えてこうやって信頼されるのはとても自信になった。」
新井
「留学や海外生活において、「英語力」が1番大事だと思いがちですが、「英語以外の何か」が自分を助けてくれる経験って本当に多いですよね。
英語がいくら上手くても結局ネイティブには英語力で勝てないし、
「ただ英語が上手い日本人」よりも「英語はそこそこ話せて、それ以上に他の人にはないスキルや特徴を持っている日本人」の方が圧倒的に魅力的だと思います。
「他の人にはない特徴」と言ったら大げさだけど、「人柄」も充分これに当てはまると思います。
「底抜けに優しい」とか、「フットワークが死ぬほど軽い」とか。笑
英語はあくまで何かを伝えるツールですからね。」
今後の予定
新井
「池田さんは今年の秋でワーホリビザが切れるということですが、今後の予定は?」
池田
「来月、空手の大会があるから今は練習中。
野球に関しては、
5〜8月→シーズン
9月→プレイオフ
10月→表彰式
という流れ。そして帰国。
12月~1月は日本のどこかのスキー場でアルバイト。
2月頃、東南アジアバックパッカー。
3月から日本で就活予定。
職種は、何かを作る人ではなく、作る人を外へと広めていく人になりたい。カナダに来て自分の強みも改めてわかったから、とにかく人を繋げる仕事がしたいかな。
そして教員免許を持っているから、30歳までに、高校の日本史教師も経験したい。」
新井
「アクティブですね。超良いと思います。
僕も、「自分の人生なんだから自分の好きなようにプランを決めてどんどん実現していけばいい」という思考なので、共感です。
そして今は、いよいよそういう生き方ができる時代になったと思います。
まだまだ逆風はありますけどね。
でも、周りからの反感を気にして自分のやりたいことができなくなってしまうのは、本当にもったいないと思う。
自分の人生を生きているのは結局自分ただ1人だから。
そこを「吹っ切れられるか」って超大事かなと。」
今後、留学やワーホリを考えている人へ
新井
「最後に、今後、留学やワーホリを考えている人に伝えたいことはありますか?」
池田
まずは、英語ができなくてショックを受ける経験をしたほうがいいかも。
僕はフィリピンの1ヶ月でかなり伸びると思ったけど、思ったほどではなかった。ただそれがモチベーションになって、カナダに来る前の半年でかなり勉強頑張れたかな。
あと、英語力を伸ばす以外に、自分の「したいこと」をある程度明確にしてから来るといいと思います。
新井
「どちらもめちゃくちゃ共感です。
「悔しい」から始まるモチベーションって、「必要だからやった方がよさそう」から始まるモチベーションの300倍くらいパワーがあると思ってます。ほんと。
そして、海外に来るなら「英語を勉強して英語を伸ばす」のではなくて、「好きなことを英語環境でやって英語を伸ばす」のがいいですね。
なによりせっかくの「夢にまで見た海外生活」ですからね。好きなことしないと。」
さいごに
池田さんは、僕がこのブログでも発信し続けている、
「英語と得意分野を掛け合わせた海外生活」をまさに実践している、非常に面白い方でした。
ツールと環境が揃ったこの時代、新しいアイデアと行動力で、自分にしかできない留学をしてみるのはいかがでしょうか。
池田さんのインスタです!是非〜
この記事を書いた人
新井リオ (@_arairio)
Follow @_arairio
カナダ在住のグラフィックデザイナー / ミュージシャン / ライター。
フリーランスとしてカナダ・日本の企業とデザインの仕事をしながら、
自身のデザイングッズブランドPENs+ SHOPを運営。
バンドPENs+でVo/Gtを担当。
2015年にカナダ、2017年にアメリカの計6都市でライブツアーを敢行。
僕の英語勉強法
2015年、日本でオンライン英会話にハマり、
翌年2016年からはカナダでデザイナーとして仕事を始めました。
オンラインだけで英語を習得した、僕の数年間のストーリーを。
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