カナダ1年半の留学を終えて。絶対に伝えたい“英語力”より大事なモノ
僕のカナダ生活が一旦幕を閉じます。この一年半、たくさん悩み、たくさん学びました。
生まれて初めて、本当の意味で「自分の力で生きた」経験 だったと思います。
留学の目的は人それぞれだけど、多くの人は「英語を話せるようになるため」に行くのではないかと思います。
もちろん僕もそう思っていたうちの1人だったのですが、いざ終えてみると、当初の予想とはまったく違う感想を今抱いています。
英語力より大事なものがあったなあと。この話を、今日はしてみたいです。
1年でペラペラにはならないからこそ
「1年間も海外生活をすれば、英語がペラペラになれるんじゃないか?」
これが当初抱いていた純粋な感情です。
もっと言えば、今とは全く違う”新しい自分”のようなものが形成され、性格も明るくなり、人生が生きやすくなって…くらいに衝撃的な変化が訪れると思っていました。
結果、カナダに1年半住み、たしかにかなり喋れるようにはなりました。デザイナーとして仕事もできるようになりました。
でも、感覚としては、
「今までと変わらない自分という人間が、まあまあ英語を話せるようになった」程度なのです。
小学生の頃、20歳を超えたら、今の自分とは全く異なる「大人の自分」になれる気がしていたけど、いざなってみると(もちろん人として成長したなあとは思うけど)、「あれ、結局、自分とはこんなにも自分なのか」と気づくあの感覚に近いです。
だからこそ、(あくまでポジティブな意味で)「英語がペラペラになる!」を留学の目的にしない方がいいのではないかと感じました。
「留学という環境が自分の英語を向上させてくれる」と思い込んでいると、どうしても甘えてしまいます。
究極、
「英語力の向上」=自分で勉強して身につけるもの
「海外生活」=ここでしか得られない多様な経験を積む期間
くらいの棲み分けをする方がうまくいくんじゃないかと思います。
「タフになること」を留学の目的にする
そう、今言ったように、留学(海外生活)の本意とは、
「日本では想像もできなかった多様な経験を積み、タフになること」だと思うのです。
(英語を勉強することではなくて、ということです。)
「多様な経験」には様々な種類があります。
まず、日本だと当たり前にできる「生活」さえ、海外ではビッグイベントになります。
・銀行口座を開設する
・携帯を契約する
・家を借りる
・スーパーに買い出しに行き自炊する
・仕事を見つけて、生計を立てる(ワーホリの場合)
これらを全て、「英語」でやるんです。正直、最初は心折れそうになりました。
でも、これらを乗り越えたことで、精神的にかなりタフになったと思います。
次第に「日本人の僕たちが日本で生きるのって、すごく簡単だったんだな」と、生意気ながら思うようになりました。昔は悩みだと思っていた対象が、そこまでおおごとではなかった気さえしてくるのです。
海外に住んでいると、乗り越えるべきハードルが無限に目の前に現れます。それを「自分で乗り越えてタフになる」のが留学(海外生活)の醍醐味だからこそ、日本のエージェントに頼りすぎてしまうのはもはや「もったいない」とさえ思います。
僕がカナダで学んだこと
また、僕はカナダで「多様な人々」にも出会いました。
日本の20代の人たちとの大きな違いは、「就職にとらわれていない」ことではないかと思います。
まず、欧米には「新卒一括採用」のような制度がないので、「働きたいタイミングで自分のやりたいことをする」というマイペースなマインドが、(日本と比べると)かなり多くの人に備わっている気がしました。
もちろん高校・大学を卒業後すぐに働く人もいますが、「正社員」はあくまで一つの選択肢であり、日本のようにフルタイムの仕事を持っていない人が少し生きにくくなってしまうような風潮はあまり感じることがありませんでした。
「フリーター」という英語もありません。なぜなら「フリーター」という概念がないからです。
しいていうなら「part time worker」と言えますが、これはつまり「パートタイムの仕事を持っている人」なのです。
欧米では(20代の人は特に、)日本人ほど「自分の仕事がパートタイムかフルタイムか」を気にしていないように思います。
まとめてしまうなら、「自分のペースで生きて良い」という当たり前のことを、カナダが僕に教えてくれたような気がしました。
まとめ
カナダに行く前は、日本の常識に疑問を感じつつも「まあこれが普通だもんな」とおもって生きていました。
しかし、カナダに住み、そもそも、普通の価値観が、国、人、環境によって違うということに、身をもって気づいたのです。
こういうの、もちろんだれかが既に言ってくれている価値観ではありますが、自分で経験して初めてわかるんです。
“聞いた情報は脳に届き”、”体験したことは内臓に届く”ような感覚を、僕はいつも持っています。
内臓までとどいてはじめて理解できるんです。
話が少し飛びましたが、まとめると
留学を、「英語力を向上させるもの」ではなく、
「日本では想像もできなかった多様な経験を積み、タフに生きれるようになるきっかけ」ととらえる。
これを、今から留学に行く多くの人に知ってもらいたいと思いました。
追記:2020年1月
この記事を書いてから、もうすぐ3年が経ちます。
当初は予測もしていませんでしたが、読者のみなさんのおかげで「英語 独学」Google検索1位、累計300万PVを記録するブログになりました。
これがきっかけで本執筆の依頼をいただき、2020年1月に英語学習法の書籍を出版することになりました。
Amazon本総合人気度ランキングで1位を獲得し、発売から3日で重版も決まりました。
本には、「英語日記」を使った独学勉強法、そして僕がカナダでフリーランスデザイナーとして働くまでの記録も全て書きました。
正直、このブログの100倍くらいの濃度がある。本当に良い本だとおもう。
ここで出会えたのも何かの縁なので、みなさんに読んできただけたら大変嬉しく思います。
きっと夢を叶える一助になると信じています。
→『英語日記BOY 海外で夢を叶える英語勉強法』(Amazon.co.jp)